新薬師寺12神将
いよいよ奈良旅行最終日。
本日のメインイベントは新薬師寺。新薬師寺は747年に光明皇后が建立、天平の昔には100人以上の僧を抱える大寺でしたが、今はほとんどが失われてこじんまりとした寺になっています。見学できるのが、事実上国宝の本堂だけで、その中には本尊の薬師如来坐像,それを守る12神将が安置されています。
本尊の薬師如来は木造で国宝。しかし、メインは何と言っても12神将。子の宮毘羅(くびら)・丑の伐折羅(ばさら)・虎の迷企羅(めいきら )・卯の安底羅(あんてら)・辰の末爾羅(あにら)・巳の珊底羅(さんてら)・午の因達羅(いんだら)・未の波夷羅(はいら)・申の摩虎羅(まこら)・酉の真達羅(しんたら)・戌の招杜羅(しょうとら)・亥の毘羯羅(びぎゃら)の12体。そのうち11体が国宝。波夷羅のみが安政の大地震で欠損したため、昭和の補作となっており、国宝指定外。残念! しかし、12体全てがすばらしい。姿はとてもリアルで、顔の表情も厳しい中にも神の神々しさがあります。
12神将は、土でつくった塑像です。この「塑像」は土を焼くこともなくただ乾燥させるだけなので、奈良盆地の高温多湿の悪条件下で1,200年余り保存できたのは奇跡的なんだそうです。色は土色でそれ自体非常に自然で完成された感じです。しかし、本堂内で上映されていたビデオを見たら、もともとは顔は青色で、着ているものも赤や緑や金色や非常にカラフルに着色されていたのを知ってびっくりしました。
ちなみに、私は亥年なので、毘羯羅大将を拝んでまいりました。
観光地的評価は、もちろん ★★★★★ !
文句なし!
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コメント
12神将の文字と表記の件に関してのコメント(質問)、ありがとうございます。実は私も深い見識はないのですが、私なりの解釈をしてみます。
まず、このような古い時代のものの名称は、書かれている文書や保存されているお寺や宗教によっていろいろ違っている場合が多く、どれが正解、というものはないようです。
12神将の概念は多分インドが起源だと思うのですが、インドでの発音が、中国や日本に渡る時点でいくつかの漢字にあてられたのではないでしょうか?
例えば、辰の神将は、仮にインドの発音がマッジーラだとして、それが安仁羅と書かれたり額爾羅だったり摩仁羅だったり。
また、書かれている漢字に対してなんと読むかもポイントとなってきそうです。例えば辰の神将は、摩仁羅を日本語的に読むとマニラであり、安仁羅の仁を「にん」と解釈するとアニラであり、安仁羅の仁を「じん」と解釈するとアジラであったり。
このように、発音と表記の微妙な差がゴチャゴチャになって、現在の違いとなっているのではないでしょうか?
以上は、あくまで私の推測です。何らかの参考になれば幸いです。
投稿: ばあど | 2005.06.16 00:05
「仏教の知識百科」での十二神将の文字と読みが、
「新薬師寺十二神将」と異なるものがあります。
どちらが正しいのか、教えていただければ幸いです。
1、未の波夷羅(はいら)が婆夷羅(ばいら)
2、寅の(めいきら)が(めきら)
3、卯の(あんてら)が(あんていら)
4、辰の(あにら) が(まにら)
5、巳の(さんてら)が(さんていら)
6、酉の(しんたら)が(しんだら)
7、亥の(びぎゃら)が(びから)
以上宜しくお願いします。
投稿: 廣麟塾 庄川和里 | 2005.06.15 16:09