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2005.11.07

科学技術はなぜ失敗するのか

051107

仕事の関係で失敗学を研究することになりました。で、勉強のため「科学技術はなぜ失敗するのか」(中野不二男著)という本を読んでみました。

はっきりいって、この本は題名に偽りありです。題名だけ見ると、科学技術の失敗を分析をしっかりして次の成功につなげましょう、と言ってるように思えませんか? しかし、この本では20個程度の事例を淡々と評論しているだけ。深い掘り下げもなく、事例の中には何が失敗なのかもわからないようなものもあります。
全体の流れとしても一本スジが通っているわけでもなく、何が言いたいのかよくわかりません。

ただ、ひとつだけ非常に参考になるところがありました。
それは、失敗率0%の考え方と成功率100%の考え方です。これは同じようでも全く違う考え方だということです。
作者は、ゼロ戦とアメリカの戦闘機の事例でこれを説明しています。

ゼロ戦は、失敗率0%を目標として作られているという考え方。
失敗率100%というのは、撃たれて撃墜されること。一方、失敗率0%とは、撃墜されないで相手を撃墜すること。つまり、失敗しないことを目標としてしています。
撃墜されないことを目標としているわけだから、戦闘機のつくりとしては、装甲を薄くしてでも軽くして機動性を上げたり、脱出や救出のことなど全く考えなかったりするわけです。つまり、やられたときのことを想定していません。したがって、やられ始めると(想定外のことが起こると)、歯止めがきかないということになります。

さて、アメリカの戦闘機。これは成功率100%を目標として作られているという考え方。
成功率100%というのは、戦闘行為をして帰還すること。成功率100%を狙うには、まず成功率0%のことを想定します。
成功率0%というのは、撃墜されること。じゃあ、撃墜されないためにはどうするか。スピードを上げたり、装甲を厚くしたりしていくわけです。それでも撃墜されることは想定されます。そのときは、撃墜されたパイロットを如何に救助するかを考えていきます。そうして成功率100%に近づけて行くわけです。

この考え方、正しいと思いませんか?
いろんな意味で非常に参考になりました。

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