ネパール旅行記30「大事件発生!」
ポカラ観光のオプショナルツアーも終わり、一旦ホテルへ戻りました。昼食を終えたら、いよいよヒマラヤトレッキングへ出発です。
荷物をまとめた後、昼食前に周りのすばらしい景色をもう一度見ようとホテルの玄関を出た直後でした。
大事件発生。
足元がズルッとすべったような感触があったのです。なんか変なものでも踏んだかな、と思って足元を見てみたら。なんとトレッキングシューズの底が完全にはずれていました。しかも、両足とも。
この状態では、トレッキングなんかできるわけはありません。なにしろ、裸足で歩くのと同じわけですから。
靴底のゴムの接着剤が劣化していたんでしょうね。
それにしても、なんというタイミング。あと2〜3時間で山に登ろうというタイミングで靴が壊れるとは。しかも両足いっぺんに。
ちなみに、私の履いていたトレッキングシューズは、イタリアのTECNICA製。そんなに高価なものではないんですけど、一応有名メーカー製です。確かに10年以上前に買った古いものですけど、まさかこんなことが起こるとは、夢にも思っていませんでした。
さあ、これからがたいへん。
まずは現地ガイドのSさんに相談。Sさんはホテルの人に相談してくれたけど、ホテルには修理する場所も新しい靴を売っている店もナシ。Sさんいろいろと手を考えてくれて、最終的にはバスで登山口に移動をする途中に靴を修理するところに立ち寄ってくれることになりました。
新しい靴を買う手もあったんですけど、履きなれた靴のほうがいいでしょうという配慮で、Sさんが靴を修理してくれるところを探してくれることになったのです。
ということで、バスで登山口まで行く途中、市街地に立ち寄りました。
私が靴を修理している間、他のツアーメンバーは、予定になかった市内観光をしてくれることになりました。
市街地に到着するや否や、Sさんは靴の修理屋さんを探すためにバスを飛び出していき、なんとか靴を修理してくれるお店を発見し、そこへ連れて行ってくれました。
そのお店、実は露店の靴修理屋さん。
事前にSさんが料金の交渉をしてくれていたので、到着するなりすぐに修理を始めてくれました。
修理といっても、靴底を接着するくらいの応急修理だと思っていました。ところが修理のおじさん、あのぶ厚いゴム底を、渾身の力を込めて糸で縫い始めたんです。その技術、そのプロ意識、見事! 悪戦苦闘の末、30分くらいかかって完璧に修理してくれました。
見かけはすっかり元の状態に復活。
ところが、よ〜く見てみると、昔の高級登山靴のようにしっかりと靴底が縫い合わされていて、壊れる前より完璧な状態になっていました。
この靴修理屋さん、もちろん外国人観光客相手専門ではありません。当然、値段も、現地の人と同じ値段でやってくれました。そのお値段、わずか100ルピー。日本円でいうと、約150円。
やすい。やすすぎます。これだけがんばってくれて、これだけいい仕事をしてこの値段とは。
ということで、感謝の気持ちを込めて、倍の200ルピーを手渡しました。
いろいろと手を尽くしてくれた現地ガイドのSさん、ありがとうございました。
靴の修理時間にイヤな顔ひとつせずに時間をつぶしてくれた同行のツアーメンバーのみなさん、ありがとうございました。
そして見事な仕事をしてくれたプロの靴修理屋さん、ありがとうございました。
おかげさまで、その後靴に関しては何のトラブルもなくトレッキングを楽しむことができました。
大事件ではありましたが、結果的にはとてもあたたかい気持ちになった大事件でした。
この靴、一生捨てられないだろうなあ・・・・。
それにしても、トレッキング中に靴が壊れていたらどうなったんだろ。裸足でトレッキングすることになったのかな? そう考えると、ぞっとします・・・・。
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コメント
ぜひとも! いやあ、ほんとこの見事な職人技は、人に見せびらかしたくなります。
投稿: ばあど | 2007.01.28 23:21
次回あうときは、修理したシュ-ズを履いてきてください!
ぜひ、職人の技を見たいです!!!
投稿: とみけん | 2007.01.26 10:37