チュニジア旅行記37「現地で暮らしている人のお話」
ショット・エル・ジェリドは、一部に塩湖らしい雰囲気がありましたが、基本的にはちょっとだけブッシュのある淡々とした砂漠でした。
移動の時間がけっこう長く、しかも景色も単調で、いつもなら特にすることもなくぼーっと景色を眺めたり寝たりするところ。しかし、今回はお話タイムでした。
このブログでも何回か軽く紹介しましたが、今回のチュニジアツアーには、チュニジアに暮らしている日本人のかたと一緒に行動することになりました。海外青年協力隊員としてチュニジアに着任、1年半ほど現地の学校で教えている若い女性のかたです。添乗員さんが、現地で暮らしている人ならではのお話をしていただきましょうと話を振って、隊員さんが快く受けてくれました。
そのときに話していただいたお話を、断片的にいくつか紹介します。
・チュニジアに来る前は砂漠だけで何もない国だと思っていたが、意外と先進国だったのでびっくりした。たぶんチュニジアは、アフリカで一番発展している国。
・今は聾唖学校で5人の子供に洋裁とか革工芸とかを教えている。
・120kmも離れたところから学校に通ってくる子供がいる(タクシー70km,バス50km)。
・着任する前にフランス語を学んだが、現地ではそれだけではうまくやっていけないので、アラビア語と手話を独学で学んだ。
・手話は、世界共通ではない。その国の言語と同じなので、国ごとに違う。
・日本人は挨拶とか感謝のときにお辞儀をするが、チュニジアではお辞儀をするのは神様に対してだけ。感謝のときは胸に手を当てるのがチュニジアのやり方。
・チュニジアで一番びっくりしたのは、犠牲際。イスラムの儀式で、生け贄の羊を殺して食べる。この日はそこら中で羊が血まみれになってのたうちまわっている。
・ラマダン(断食)の時期には観光に来ないほうが良い。宗教的な行き違いがありがちで、お互い不快な思いをする。
・ラマダンでは、断食するのは日中だけ。厳格な人は、つばも飲まない。
・ラマダンでは、断食をすることで身に危険が及ぶような人は、断食の対象外。例えば、妊婦の人や、100km以上の長距離を運転する電車の運転手。
・ラマダンでは、暗いときに食いだめするので、意外とみんな太る。
・チュニジアはイスラム色が意外と薄いほうだが、それでも地方によっては女性の行動には制限がある。例えば、女性はあまり外に出ては行けないので買い物にも行けないとか。
・遊牧民系の人たちは、女性が強い。
ガイドブックを見たりうわべだけ観光しただけでは、決して得ることのできない貴重なお話をたくさん聴くことができました。
また、お話をしてくれた海外協力隊員さん、若いのにたいへんに考え方がしっかりしていて行動力もあり、尊敬に値する人でした。
これからもがんばってほしいものです。
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