チュニジア旅行記45「エルジェムの円形闘技場・その2」
エルジェムのコロセウムの中に入ると、意外にきれいなのでびっくりします。いろいろと補修はされているのでしょうが、それにしても保存状態は良さそうです。
直径65mのアリーナ。
広いと感じる人もいれば、狭いと感じる人もいると思います。実際にこの中で戦った人は、どう感じたのでしょう。生き残るためには勝つしかない追いつめられた状態で・・・・。
あと、アリーナと観客席を仕切る壁は、意外と低い感じがしました。
コロセウムというと、アリーナで猛獣が大暴れしたと思うのですが、あれくらいの壁だったら猛獣は軽く飛び越えて観客席に乱入しそうなもんですが・・・・。
観客席は、立派。
高さも36mとけっこうな高さです。この観客席の上のほうには、観光客ものぼることができます。上から見下ろすコロシアムは、また違った風景に見えます。さらに、遠く市街地も見渡せます。
とにかくこのコロセウム、どこから見ても景色が違っていて飽きません。ここを訪れたときは、十分時間をかけて全てを丁寧に見る価値があると思います。
このコロセウムには、地下室もあります。
アリーナの中央に細長い黒く見える部分がありますが、ここは大きな細長い穴があいていて、地下室とつながっているのです。今は安全のため鉄格子がはめられていますが。
この地下室は何のためにあるかというと、アリーナで戦う人や猛獣のための控え室だそうです。この細長い縦穴の両側には横穴がいくつもあって、それがひとつひとつ控え室になっているのです。
剣闘士は、ふたつのタイプがあるそうです。
奴隷や戦争で捕虜とした人たち。
そして、ヒーローになるために志願した人たち。
しかし、いずれにしても、こういうところに来てみると、猛獣と戦う剣闘士あるいは戦うことを強制される剣闘士の恐怖が実感されます。
ん?
ちょっと待てよ?
この地下室に猛獣を閉じ込めておいたといっても、赤ちゃんの頃から猛獣を育てたとはとても思えないぞ。ということは、どこかで猛獣を捕まえてきて、ここに運び込んだんじゃないかな?
そうだとすれば。
その時代には、当然麻酔銃などなかったわけだから、思いっきり抵抗する猛獣を生け捕りにしたことになるぞ? その時点でかなりの犠牲者が出たんじゃないかな?
もしかして、陰の最強の勇者は、猛獣を生け捕りにして運んでる人なのかも・・・・。
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