最低な報道
本日、ネットを含む多くの報道機関から、以下のような主旨のニュースが報道されました。
『福島原子力発電所から出た低濃度汚染水を浄化した処理水について、S政務官は「安全が確認されている」と述べて、報道陣の前でその処理水をコップに入れて一気に飲み干した。』
この報道をそのまま鵜呑みにすると、「バカなパフォーマンスをしやがって」ということで終わりますよね。が、NHKを始めとした一部の客観的な報道機関は、この報道の前に以下のような背景があったことを伝えています。
『事前に行われた政府と東京電力の記者会見で、一部の記者が、S政務官に対し、「低濃度汚染水を浄化した処理水が安全だというのなら、自分で飲んでみてはどうか。」と挑発し、それを受けたS政務官は、「私がその水を飲むことで安全だと認められるのなら、飲みましょう。」ということになり、後日、記者の前で浄化された汚染水をコップ1杯飲み干した。』
みなさん、このニュースを聞いて、どう思いますか?
確かにS政務官はおとなげないのかもしれませんが、報道のあり方について、これで良いと思いますか?
もし、S政務官が「飲まない。」と言ったら、それ見たことかと報道するでしょう。
もし、S政務官が「飲む。」といって飲んだら、パフォーマンスだとかそれで安全だとでも言えるのかとか報道するでしょう(事実そういう報道がされています)。
この記者、よくもまあ、こんな卑怯なことを考えついたものです。
そもそも、「安全だというなら汚染水を飲んでみろ。」ということ自体、その記者の人間性を疑います。挑発というよりも脅しです。
記者のすべきことは、取材でしょう。事実を調べることでしょう。それを報道することでしょう。
少なくとも、挑発や脅しをすることではないはずです。
もともと、この記者が挑発しなければ、S政務官は汚染水を飲まなかったでしょう。
そういった意味では、この記者が誘導してありもしないニュースを創り上げ、そのニュースを報道して視聴率を稼いでいるということになります。
最低です。
このようなレベルの低い報道に騙されないように、我々も真剣にニュースを見なければいけませんね。
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