ポルトガル・スペイン旅行記48「サグラダファミリア・その1」
ついに来ました、サグラダファミリア。
第一印象は、さすがにすごいなあと思いましたよ。
が、よーく見ているうちに、徐々に違和感がでてきました。なんか、統一感がないのです。
その統一感のない自由な作風がガウディの本質なのか?と考えることもできます。が、どうもイマイチ納得できません。
特に、キリストや聖母や聖人等の人物彫刻は、場所毎に驚くほど作風が違っています。正面側の人物彫刻は、中世ヨーロッパ的な写実的な作風です。が、裏側の人物彫刻は、抽象的な現代彫刻です。思わず、これでいいのか?と思ってしまいます。
よくよく考えると、サグラダファミリアは、建築が始まってから100年以上建っています。建築の担当者も変わっているだろうし、流行も変わっているだろうし、考え方も変わっているのだと思います。長い時間をかけてひとつのものを作ると、こうなってしまうのかもしれません。
ガウディが亡くなったのが、1926年。それから90年近くは、違う人が建築を担当しているわけです。しかも、設計図等はほとんど残っていないようです。ガウディの後継者は、数少ない資料からガウディの設計思想を想像し、ガウディの意図に沿うであろう建築をしているわけです。現在は、ガウディが見たら「え?」と思うくらい初期の設計思想から変貌している可能性があります。
ふと、これと似た例があることに気づきました。
モーツァルトのレクイエム。
モーツァルトの曲ですが、作曲の途中にモーツァルトが亡くなりました。その後、いろいろな人が補作して完成させたわけです。
モーツァルトが生き返って、完成したレクイエムを聴いたら、きっと「え?」と思ったことでしょう‥‥。
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